2005年11月05日

マイナスイオン不買運動

「マイナスイオン」という言葉を初めて見たのは
確か、
銭湯の入り口に張られていたポスターでした。
当時住んでいた京都には銭湯がたくさんあって、
その入り口に銭湯を広める(?)ポスターが
張っていたんですね。
ある時期、そのようなポスターに
「銭湯にはマイナスイオンが豊富にあります」
みたいな宣伝文句が
大きな字で書かれていたんです。
「マイナスイオンって何イオン?」
ってツッコミ入れてしまった。
というより、
銭湯って何か変なものを混ぜているのかなぁって、
気持ち悪く思った事を思い出します。

それから何年か経って、
メディアには「マイナスイオンを出す商品」
が溢れるようになりました。
「滝や噴水の近くや、森の中では、
 マイナスイオンが多く
 それが人に良い影響を(癒しとか?)与えるのだ」
と言うことで、
多くの「マイナスイオンを出す商品」が売りに出され、
「マイナスイオンという概念」が
何の疑問も持たれずにあっという間に
社会に広まってしまいました。

だけど、
真っ当な科学教育を受けていた人間なら、
「マイナスイオン」というものに、
何らかの疑問は持つものだと思います。
だって、
科学的に考えれば、何から何までおかしいもん。

「マイナスイオン」という用語自体、
まずおかしいんですよね。
「マイナスの電荷を持ったイオン」
なら普通は「陰イオン」
英語では「アニオン」って言いますし。
まあ、それでも私は、
その辺りの科学用語の使い方については
うるさくは言いません。
厳密な言葉の使い方を求めるために、
普通の人を科学から遠ざけるのは
愚の骨頂だと思いますし。
普通に考えれば「マイナスイオン」は
「マイナスの電荷を持ったイオン」で
誤解の余地がないと思いますので、
それについては良いでしょう。

だけどまず、この「マイナスイオン」が
「何イオン」なのか
、は、
聞いてみたく思います。
普通、負電荷を持つイオンには
塩素イオン、炭酸イオン、水酸化イオン、
硫酸イオン、硝酸イオン、などがあり、
それぞれ性質が異なります。
そのうちの、どのイオンの事を指しているのか?
「マイナスの電荷を持っているイオン」を、
電荷という点だけで
全てを一緒くたにして論じてしまうのは、
乱暴でしょう。
それなら、いかにも有害そうな負イオン、
例えば青酸イオンなんかも
「マイナスイオンだから体に良い」でしょうかね。
そ〜んな事は、さすがにないと思うのですけど。

それから、
この「マイナスイオン」って、
水中にあるものなんでしょうか、
空中にあるものなんでしょうか。
水中にイオンがあるのは当たり前ですし、
仮に空中なら、空中にイオンなんて、
安定に存在できるものなんでしょうか?
そういう事って、
少なくとも私の科学的常識の中にはない事なんですが。
それっておかしいんですかね?

だいたい、
「マイナスイオンを発するグッズ」って、
何なんでしょう?
イオンとは、分子や原子が電荷(電子が多い)を
やりとりする事で生じるものな訳で、
「マイナスのイオン」が発生すれば、
同じ量だけ「プラスのイオン」が発生するハズ
です。
つまり「マイナスイオンだけを発し続けるモノ」
なんて原理的におかしいと思うんですが、
その辺、どうやっているんでしょうね。

その他にも、疑問点はいっぱい出せます。
「負電荷を持ったイオンがヒトに良い影響を与える」
というのは、
そのメカニズムすら見当も付きません。
まあ、ヒトの体なんて
まだまだ分からないことだらけですから、
「未知なるメカニズム」はあり得るんでしょうけど、
だけど、この「効果」って、
どれだけ科学的な検証がなされているものなんでしょう?
科学的検証と言っても、
「マイナスイオンが
 いったい何イオンを指しているのか」
その実体が確定しないと意味を持たないし、
「効果の測り方」だって、
明確な指標があるものなのか、と考えると
非常に難しいだろうな、と思うのです。

(だから、
 今、学校の理科でイオンを教えている人は大変だろうな、
 と思います。
 変な誤解が広まっちゃってる訳で、
 それを払拭するのに労力を使わないといけない。
 って、実は最近、義務教育から
 イオンの項目って無くなったそうですね。
 マイナスイオンの広まりには、
 そんな所に原因があるのかも・・・)



だけど・・続きを読む
posted by めたか at 23:54| Comment(2) | TrackBack(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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