2005年09月09日

経済で必要な事は?(クルーグマン教授の経済入門)

(この記事の概要)
・この本は経済学についての
 体系的な知識を与えてくれる
・政治で生活に大きな影響があるのは
 経済的な課題。
 なので経済について理解した方が良い
・経済で大事なのは
 「生産性」「所得分配」「失業」の3つ
・今、大事なのはデフレ対策だと思う
・ホントの意味での「経済の発展」は
 新しい「価値」を生み出す事


###
ちょっと前に予告した
「読書の秋・秋の書評シリーズ」ですが
ホントは、最初に書く本は決めていたんです。
でも
選挙前に紹介したい本があったので
イレギュラーですけど、
先に、こちらの本の紹介を書きますね。

それは、次の本です。
・クルーグマン教授の経済入門



この本は、文庫本になる前に
読んだ事がありまして。
経済音痴の私の「経済の知識」は
殆どこの本のものと言って良いでしょう。
(あと「マネー敗戦」って本も分かり易かった。
 為替関係の知識は、この本レベルですね。)

経済学をちゃんと勉強していない
私にとって
それなりに本も色々な記事も読みましたけど
この本ほど、分かり易く
かつ説得力のある本って、ありませんでしたね。

経済の事って
やっぱり、分かっておいた方が良いと思うんですね。
それも、単なる知識の羅列じゃない
体系的」な知識を。
この本は、それを与えてくれる良い本だと思います。
(ま、実際に経済学をちゃんと勉強した人
 から見れば、色々あんのかもしれませんけど。)


###
それで、
この本を選挙前に紹介したいと思ったのは
ですねぇ。
政治に望む事、というか
私たちの生活に大きな影響を与える事って
やっぱり経済だと思うんです。
政府の経済対策がどうかってのは
経済に影響あると思いますし
そして
景気がどうか、などの経済状況って
私たちの生活に、大きな影響を与える、でしょ?

そういう意味で
政治について、ちゃんと判断しようと思うと
経済について知っておいた方が良いでしょう。

と言っても
それでこの本を手に入れて
読んでしまうのに
時間がかかりますよね。

なんで
私がポイントと思う所を
ちょっとだけ。

この本で主張している事ですが
「経済」において、
私たちの生活にとって最も重要な事は
次の3つだって。
・生産性
・所得分配
・雇用と失業
2つ目、3つ目については良いですよね。
所得分配が上手く行われている
つまり、貧富の差が小さい社会ほど
良い社会って言えるでしょうし
(貧富の差が大きいと社会の雰囲気が悪くなるって)
失業が少ない社会ほど、良い社会と言えるでしょう。

それで
1つ目の「生産性」ですよね。
生産性というのは
一人が生み出す富の量
正確には、
労働者が生み出したモノの金額を
総労働時間で割った値
になりますね。

これが重要というのは
その国の経済が、どれだけ豊かか
というのは
ほとんど「生産性」で決まってしまうから
なんだそうです。
その国が、どれだけの「富」を生み出す事ができるか
というのが
その国がどれだけのモノやサービスなどを
消費出来るかってのを決めてしまう、訳で。

そういう意味で、
「生産性」は大事なんですけども。
でも。

例えば、
「IT革命は生産性を上げる」
って良く言われていましたけど
それが「生産性を上げる」のは
こういう理屈だと思うんです。

ITを導入すると、
同じ「富」を生み出すのに
より少ない人手で出来るようになる
なので
「分母」が小さくなるので
生産性が上昇する。


そして
多分、「構造改革」って事で
考えられてるのも
ほぼ同じ理屈だって思う。

「構造改革」によって
より効率的に(つまり少ない人手で)
色々なこれまでやれていた様々な事が
できるようになる


だけど
こういう理屈で「生産性」を上げても
それって雇用が減ってしまうだけ
って思うんです。

多分
「そうやって、かける人数が減らせれば
 そこで浮いた人を
 新しい仕事に回す事ができる」
そして
「新しい仕事で生み出された富が
 出来る分、社会が豊かになる」
って考えが、あるんでしょう。
だけど
それは「新しい仕事がある場合」
だけだと思うんです。
でも
そんな「新しい仕事」って
簡単に生み出せるものかなって思うんです。
「手の開いた人」を出せば
その人が勝手に、新しい仕事をするようになる
なんて事は、ないでしょう。

だって、
今って、失業率が高い
つまり
「仕事がなくて困っている」時代ですよね。
そんな時代に
効率を上げて、かかる人手を減らして
より「失業する人」を増やすような事をしても
より「失業率」が増加して

それで、消費する人も減るし
不安があるから消費したくもなくなるし
となると、モノが売れなくなって
より「人を減らさないとイケナイ」ってなる
・・・

それが「デフレ・スパイラル」って事ですよね。


だから
今、最もやらないとイケナイのは
デフレ対策だと思うんですよ!
この「デフレ・スパイラル」を絶つ事を
しないとイケナイ、んじゃないのかなぁ。


って、脱線してしまったので
話を「生産性」に戻しますね。

つまり、今の時代では
「効率を上げる」って事で、
「分母」を小さくする事で、
生産性を上げようとするよりも
分母分子を上げること」
つまり
「新たな価値」を生み出す事で
生産性を上げようとする方が
重要じゃないかなって思うんです。


「新しい価値を生み出す」には
どうすれば良いんでしょう?
良く分かりませんが
今までお金を使っていなかったもので
お金を払う価値があるなってモノやサービスを
生み出す必要が、あるだろうって。

それは
今まで、何かで買っていたものの代替品ではなく
それを買う事で
その人の生活にとっても良くなるような
そんな新しい価値である、モノやサービス。
それを、作り出す必要が、あるんだって。

そういう事を、思うんです。


###
あまり政治や選挙と関係なくなりましたけど(笑)
とりあえず
こういう経済の事を考えた上で
どうするのが、生活を良くするかって事を
考えて投票すれば良いのではないかなって
思います。
(というか
 「今の小泉さんの政治路線って
  経済を良くする方向じゃないのでは?」
 って事を言ってるんですけどね・・・)
posted by めたか at 01:10| Comment(24) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
> つまり、今の時代では
> 「効率を上げる」って事で、
> 「分母」を小さくする事で、
> 生産性を上げようとするよりも
> 「分母を上げること」

最後の行、「分子を上げること」ですよね。

最初からつまらないツッコミでごめんなさい。この興味深いエントリに、興味を持っていただけるコメントをしたかったのですが、あまり良いアイディアがありません。

しかし、めたかさんの「分子を上げる」ということをどのように考えているのかは気になるところです。

「新しい価値」を生み出して、「分子を上げる」ということは、1単位あたりの価値を生み出すのに必要な「労働量」を減らすことなので、「分子を上げる」か「分母を下げる」かは本質的に同じことなのかもしれません。

> そんな「新しい仕事」って
> 簡単に生み出せるものかなって思うんです。

生産性の上昇が「新しい仕事」を生み出すロジックがあるかどうかが問題だと思うのですが、あると考える人は、多くの場合、次のように考える傾向があるようです。

つまり、生産性が上昇すると、1単位あたりの価値を生み出すのに必要な労働量が減りますので、労働に対する価値(ここでは単純に賃金で構わないでしょう)が下がります。すると、これまで割に合わなかった生産手段も割に合うようになって、そのような生産手段を持つ人が労働を雇用する、すなわち「新しい仕事」が創出されるというロジックです。

これに対して、めたかさんと同様、「新しい仕事」が簡単に創出できないと考える人は、このようなロジックが働かないメカニズムを協調する傾向があると思います。(賃金が下がらないとか、次の職を探すコストがかかるとかでしょうか。)

かなり大雑把な議論ですが、このようなことを思いました。
Posted by netwind at 2005年09月10日 15:56
「新しい仕事」をめたかさんが言うような「今までお金を使っていなかったものでお金を払う価値があるってモノやサービスを生み出す」ことって考えればいいんじゃないですか?同じ事柄を生産と消費の観点からみてる。だからnetwindさんのコメントのように「本質的に同じこと」になるんです。ITも導入って考える前に、ここ十年くらいでめかたさんの言う「価値」を信じられないくらい生み出してますよね(今日の遊説のニュースによると小泉さんも郵政民営化で同じことを言ってますよね)。
Posted by ココア at 2005年09月10日 17:02
万年スランプのquimitoです。
クルーグマンは読んでませんけど、「経済政策を売り込む人々」を紹介したことがあります。
生産性が上がらなくても、賃金を下げてしまえば、これまで割に合わなかった仕事も採算がとれるようになって、そのような生産手段を持つ人がフリーターを新たに雇用する、すなわち「新しい仕事」が創出されるというのが私の意見です。
それはさておき、「経済入門」を訳した山形浩生に対するめたかさんの意見の方が聞きたいです。意見というよりも、もう少し奥深いところで感じたことがあれば。気長に待ちますので。
Posted by quimito at 2005年09月11日 15:29
コメントありがとうございます。


netwindさん>

>最後の行、「分子を上げること」ですよね。

ですね。訂正しておきまーす。

それで・・・

>賃金が下がらないとか、
>次の職を探すコストがかかるとかでしょうか。

えっと、ちょっと待って下さいね。
生産性が上がると、賃金が下がるんですか?
普通、逆だと思うんですけども。
というのは、
1人の労働者が生み出す価値が多くなる
という事ですから、ね。
「賃金が下がる」のではなくて
ある一定量の仕事をするのに必要な「労働」が
下がるって事だと思うんですけども。
(なので、「労働者が貰う賃金」が変わらなければ
 「仕事量に当りの賃金」は下がりますよね。)

なので、
>すると、これまで割に合わなかった
>生産手段も割に合うようになって、
>そのような生産手段を持つ人が労働を雇用する
このロジックって、
「生産性アップが賃金低下」って
単純に勘違いしてる(かすり替えてる)って思う。
だって
「仕事の効率が上がる」というのが
全ての仕事に対して平等に起こる、訳じゃないでしょう。
ある仕事の「生産性」が上がったからと言って
「これまで割に合わなかった生産」の生産性も
同時に上がるって訳じゃ、ないでしょ?
だって
全ての(といかなくても多くの)労働者が
同時に能力をアップさせる、とか
同時に生産の効率がアップする環境ができる
みたいな事なんて、ちょっと考えにくいって思うんです。
(まぁ、ITが効率化してできるようになる
 という事なら、ありえるでしょうけど。)

多分、ですね。
「生産側/供給側」の視点でモノを見るか、
「消費側/需要側」の視点でモノを見るか、
の違いじゃないかなって思うんですよね。
上記のロジックって
「生産側の視点」ですよね。
消費側の視点で見るに
そうやって作られた新しいモノが
今まで買っていた別のモノの代替に過ぎない
という場合が、往々にしてあると思うんです。
「今までの代替じゃなく、
 今まで使ってなかったお金を、さらに払っても良い
 と思わせる価値」
って、かなり難しいんじゃないかなって
思うんです。
(でも
 「これまでよりキレイだから」とか
 「これまでより面白いから」とかで
 これまでよりお金を使っても良いよ
 って思うというのはあると思いますよ。)

大雑把に言うと、こういう議論かなって
思っているんですが。
(もっとも、私も経済はホント、素人です)


ココアさん>
そうですね。同じ事を見てるってだけですよね。

「経済のイロハ」では、
不景気の時は需要側から見るべき、だったと思うんですよ。
違ってますかね?

それと
確かに「IT」は、「新たな価値」は生み出していますね。
というか
厳密には「IT」というより「ネット」と言うべき
でしょうけどねー。
単に「ITでこれまでの仕事を効率化」
とかいうのは、
別に「新たな価値」は生み出してない、と思う。
でも
「ネット」で色々なコミュニケーションが生まれたのは
「新たな価値」と言って良いでしょう!
そこから、色々な「商売のネタ」も
出てきていますよね。
ただ、まだまだ「お金」になるって事では
経済への影響は小さいかなって思います。
多分、その辺はまだまだ、これから、なんでしょうね。


quimito さん>
多分、netwindさんへのコメントとかぶってる部分が
かなりありそうですけども。
「賃金を下げる」事で
「採算が取れる」雇用ができるのなら
今の人あまりで職があぶれてる時代
そういう賃金での採用はあるんじゃないでしょうか。
多分、フリーターや派遣の増加は
そういう事じゃないかなって思います。
だけど、それでも職が足りないのが今で、
でも、もっと下げるとなると
「生活自体が成り立たない」ってレベルに
きっとなっちゃうんでしょう。
やっぱり、下げると言っても限界があるんじゃない
でしょうかねー。
また、「ギリギリ」だとお金が使えないので
需要も生まれてきませんしね。

山形浩生氏に対して、ですか・・・
なかなか、難しいですねぇ。
どういう意見を求められてるのか・・・
とりあえず、仕事に対しては一定の評価はしていますね。
是々非々でって感じでしょうか。
Posted by めたか at 2005年09月11日 23:56
「経済のイロハ」;不景気のときも好景気のときも生産と消費両面から考察し(その間に流通もあるし難しいですね)、どっちから見るべきって偏らないことですね。その上での現状分析(理論と政策論を直結しないこと)かな?
Posted by ココア at 2005年09月13日 00:13
ん〜。僕、ロジカルに間違えてしまったようですね(笑)。ちょっと考えてみます。頭悪くて、ごめんなさい。。。
Posted by netwind at 2005年09月13日 00:41
いつもどうもありがとうございます。

ココアさん>
いや、確かに「両面から考察」しないといけませんけど
そうじゃなくて。
好景気の時は、供給が追いつかないので
生産側の事情がリミッティングファクターになる
一方
不況の時は、供給が余っているので
需要側の事情がリミッティングファクターになる
という事だったと思うんですけども。


netwindさん>
経済って、難しいですよね。
私も実は自信がありません。私の方が間違ってるかも。
Posted by めたか at 2005年09月13日 01:32
「生産性を上げる」理屈が「構造改革によってより効果的に色々なことができるようになる」なんて規定するから?になる(土俵の設定)。めかたさんの言うことは概ね正しいんだろうけど、いざ構造改革批判につなげようとすると、それって構造改革じゃない?って事を真剣に考察されてる。簡潔に書きすぎたのかなと思いもう一度書きます。「今までお金を使っていなかったものでお金を払う価値があるってモノやサービスを生み出す」ことって「新しい仕事」の創出でしょ?いわゆる「商品化(新しいって書く?)」でしょ?「市場化」でしょう?規制緩和だって必要でしょう?あらかじめ書いときましょうか。万能だと言ってんじゃない。「反省の仕方」がむしろ大切だと思う(参考;著作権法改正)。
Posted by ココア at 2005年09月14日 01:00
スミマセンでした。今まで
「ほぼ同じ事をお互い言っているのに、
 私、何かおかしい事書いていたのかな?」
と思っていましたが、
やっとココアさんの論点が分かりました。
要するに「構造改革って何か」が論点だったんですね。

「構造改革」にも、色々あると思います。
大きく分けると
「分子を広げる/大きくする改革」

「分母を小さくする/効率化する改革」
があると思っていて
「民営化によって効率化する」というのは
後者だって思っているんです。
仰る通り
「規制緩和」によって新産業が生まれる事も
あるとは思います。
でも、なんでもかんでも「規制緩和」で
「分子が広がる」訳じゃないとも思います。
(って、それは分かっておられる、でしょうけど。)

ただ、少し観点を変えてみますと
いくら「新たな買いたいもの」ができても
先立つものがなければ買えない、ですよね。
そういう意味で
「消費者がお金を使えるような環境整備」
つまり、失業対策とか年金改革は
必須なんじゃないかって思ってるんですけど。
Posted by めたか at 2005年09月14日 23:11
最初からめたかさんの論点は「少ない人手で色々なことができるようにする」と構造改革を定義した上での構造改革批判とよめますが、、この理屈で「デフレスパイラル」に行き着くとすれば、「ラダイト運動」あたりがデフレの処方箋になりますか?次に、「民営化によって効率化する」構造改革と「新しい価値、モノ、サービスを生み出す」構造改革と分類したところで政策論として分別して実践できますか?しいて言えばこの二者は重層化してると思いますが。また、購買力を創出する観点に転換したとして、必須の政策は税金でやるんでしょう?国債ですか?
Posted by ココア at 2005年09月16日 01:14
えっと
>少ない人手で色々なことができるようにする
ではなくて
「少ない人手で今までと同じ事ができるように」

「(これまでなかった)色々な事ができるように」
というのを区別して見よう
(前者を「分母を減らす」
 後者を「分子を増やす」と表現)
という事です。
これが「区別できるか」と言うなら
確かに重層化している「政策」もあるでしょう。
なんで、具体論を考察する視点と考えて頂ければ。
それで
「郵政民営化」に「分子を上げる」部分は
どれだけあるでしょうか。
(規制緩和とかは、民営化がなくても出来ると思う)

財源の問題は、確かに難しいです。
ただし
同じお金を使うなら、こういう方面の方が
効果があるのではって思うんですけども。
Posted by めたか at 2005年09月17日 08:55
>規制緩和とかは、民営化がなくてもできる                  ;民間があるから「規制緩和」概念がある。国営状態での規制緩和って役人側からの発想(江戸時代的発想)じゃないですか?                     「『構造改革』によってより効率的に(つまり少ない人手で)色々な事ができるようになる」って書かれたのはめかたさんの方なんですが、、  「分子を広げる、上げる、増やす」視点はまさに特別利潤を生む源泉として「分母を減らす」視点と共に民間企業により資本主義経済のもと特に高度成長期以後追求されていると思うのですが。民営化論はむしろそれらの前提(後背地)として市場の外延化から内包化を展望させる経済的な戦略だと思います。 
Posted by ココア at 2005年09月17日 21:13
あ、指摘どうも。
>「『構造改革』によってより効率的に
>(つまり少ない人手で)
>色々な事ができるようになる」って
>書かれたのはめかたさんの方なんですが、、
本当ですね。
確かに紛らわしいですけど
ここでの「色々なこと」は
「今までやっていた様々な事」って事で
「新しい事」って意味合いはなかったと思います。
(でも、分かり易いように追記しておきます)

んで、それはそうと・・・
なんか単なる「市場万能主義」じゃないの
みたいに思っちゃったんですが
そういう極端じゃないって事ですよね。

そういう言い合いをしても始まらないので
具体論で論じませんか?

ココアさんの言う
「民営化しないとできない規制緩和」って
郵政民営化で言うと、何になるのですか?
金融ですか? 保険ですか? 郵便事業ですか?
でも
金融でも保険でも、別に郵便局以外でも
普通にやられてるので
「民営化しないとできない」って事はないと思います。
郵便事業でも、周辺事業では
宅配便でもバイク便なども行われていますし
そこでの「規制」は、別に郵便局(郵政公社)があっても
議論して外すべき規制は外せば良いと思うんですけど。

もちろん
「郵便局」がある事での「民業圧迫」というのは
あると思うんですけど
でも、現状で「民営化」しても
インフラ等で、完全に公平な競争はできないって
思うんですけどねー。
Posted by めたか at 2005年09月20日 21:37
「ココアさんの言う『民営化しないとできない規制緩和』」なんて私は言ってません。こういう発想自体が役人的で好きではありません。何度も書きますがめたかさんが言う「今までお金を使ってなかったものでお金を払う価値があるってモノやサービスを生み出す」作業そのものが「市場を形成する」ということだと思います(グローバリズムでの市場化は歴史的にも構造的にも一番表層的なものじゃありませんか)。めたかさんも「難しい」って言われるように下世話に言えば、企業家たらんとする人は日々これで勝負してて、アイデアだけじゃ商売にならず「カネ」「ヒト」「モノ」を上手に配置し、なおかつすぐ真似してくる競争相手より上を行かねばならない、、、、「郵政民営化に象徴される小泉改革は、90年代の規制緩和、グローバリズム、市場競争化の流れの延長線上にあるもので、それ自体が、アメリカの新自由主義政策の導入以外の何ものでもなかった」(佐伯啓思)みたいなことがよく言われます。しかし日本における郵政問題は日本独自の特殊性がある。1960年代から「集配をしない特定郵便局(郵便事業をしない郵便局)」というそれ自体日本語として矛盾する公営金融業、公営生命保険業が増殖し、1990年代以降は市場占有率が50%を越える程肥大化し、元来からの資金使途の硬直性は極みに達し、この程郵便局の方へ資金がシフトしてなければ、この程のデフレ失業ではなっかたと思います。郵貯が民間預金より有利であったのは人為的不公平(規制あるいは障壁と言いましょうか?)の結果だと思います。よく簡保の商品としての優位が、職業を差別せず誰でも入れるって言われますが、リスクを確率的に商品に反映させるのが保険の生命線ですから、あのような宣伝は原点より誤っていると思います。私にとっての「具体論」は以上のような文脈になります。
Posted by ココア at 2005年09月21日 00:52
んーんと・・・
私、郵政にそんなに詳しくはないので
良く分からない専門用語が多くて、
読解があまり正確じゃないかも、ですけども・・・

でも、
この「具体論」は、つまり「資金需要うんぬん」の話
ですよね?
それなら、この記事で議論する事じゃなくて
こちらの記事の話じゃないかなって思うんですが。
http://at-most-countable.seesaa.net/article/6109105.html

んで、そちらでも書いてますけども
実際に「民営」の銀行などでも
資金が民間に流れていないって状況で
はたして意味あるのかなって思うんですが。

難しくて、ちゃんとは理解できてない
(のでブログでは紹介しなかった)んですが
ネット上では評判になって、概ね正しいとされていた
こちらのブログの一連の議論でも
http://bewaad.com/20050824.html
民営化と、その資金が財投などに流れなくなるって事は
関係ないだろうって結論のようですが。
Posted by めたか at 2005年09月21日 08:24
残念ながら「資金需要うんぬん」の話ではありません。                        めたかさんの言うように「今まで、、、、モノやサービスを生み出す」という観点からして公営金融業、公営生命保険業は必要ない、有害無益だと主張しているのです。                  「『民間』の銀行などでも資金が民間に流れていないって状況ではたして(郵政民営化が)意味あるのかなって」という状況論が論理的に耐えうる議論になるかどうかという点については以前「パート3」へのコメントにも書きました。                   さらに言えば、「資金が民間に流れていない」という(本来相対的でしかありえない実態を絶対的に表現する)現状分析は常識論として浮世離れしてませんか?「資金需要うんぬん」で難解そうな議論をトレースするから自明な事から注意が離れていくんだろうと思います。                   役所の主導権争いの話と関連させて民営化の是非が論じられるなんてお上の発想としか思えないですよ。
Posted by ココア at 2005年09月21日 21:31
ん?
なんか、さっぱり理解できないんですけども・・・
ま、とりあえず
「郵便事業」の話ではなくて
「金融」の方の話なんですね。
(保険の方も絡めると話がややこしくなるので
 とりあえず論を絞りますか。)
んで、「郵便局」が「民業圧迫」してるって事が
問題なのかなって受け取りましたけども、
それでよろしいんでしょうか?

それで
民業圧迫って事を言うなら
「新しい事業をするための障害」って事には
ならないんじゃないのって思うんですよ。
(だって、「新しい事」をやるって事は
 これまで郵便局がやってない事をやるって
 事ですから、民業圧迫とかは無関係では?)
なんで、
ちょっと理解不能なんですが・・・
(郵便局が無ければ
 金融業界で「新商品」が何かできたんですか?)

多分
そもそも「自明」としている事が
全く異なってるんじゃないでしょうか?
私には、今回ココアさんが書かれた事が
「自明な事」とは全く受け取れないんですけども・・・
(あと
 「お上の発想」とかそういうレッテル貼りは
 あまり愉快じゃないですけどね。
 別に「お上の発想」だろうが、
 全て拒否せずに是々非々で議論できると思いますけど)

あとは
「論理的に耐えうるか」についての
専門的な議論については
上のコメントで紹介したBI@Kさんトコでの議論を
参照にして頂いた方が良いと思います。
何ならそちらに噛み付いたらいかがですか?
bewaadさんは「お上の方」ですから
ココアさんのお嫌いな「お上の発想」かもしれませんけども・・・
Posted by めたか at 2005年09月22日 03:09
そうですね、自分にとって「自明な事」程他人には分かりづらい。短絡になる。              うーん、郵便局(国家機関でしょ?)に一般消費者向けの金融とか保険のサービスを提供する機能は必要ないという立場なんです。                 だから「民業圧迫」をどうしようとか、集めた資金がどう流れているかなんて発想自体、一種現状追認でしょ?役人は金を集めるなっ、国営の商売は要らないって立場からすると、、、、やはり、理解できないですか?                   国家は税金<社会保険料もその内に含まれる>を集めて民間部門には出来ない質のことをする義務がある。その量が大きいか小さいかはケースバイケースでしょう。しかし質的にはっきりと狙いを定めて無駄のないよう政策遂行していく。何が本質的かはっきりさせるためにも民間部門で出来ることには手を出さないことが大切だと思う。
 「レッテル貼り」は短絡的な書き方の産物で、そうならないよう反省します(自分がされたら不愉快ですよね)。ただ真意が上述の「立場」に起因しますから理解されないかも、、、、                   最後の「論理的うんぬん」はちょっといじわるな表現になってるんですが、「専門的議論」について言ってるんじゃないんですよ。それとも本気でそんな論点あるのかなあ?
Posted by ココア at 2005年09月23日 01:17
そうですね。
それが自明かどうか、というのが
分かれ目なんだと思います。
私は別にあっても良いと思っていますので。
国がどういう「仕事」をするべきなのか、は
国民が話し合って決めれば良い事だと思っていますし。
ま、そういう意味では
今度の選挙結果は「国民は要らないと表明した」って事
なんでしょうけども
私個人としては、あっても良いと思っていますし
現に、個人的に一番お金を預けてるのが
郵便局だったりしますから。
Posted by めたか at 2005年09月26日 22:03
一方において、『国がどういう仕事をするべきか』という観点からして                   金融・保険機能が公営の制度として社会保障制度みたいに必要性があるとするならば                   そういう部門は郵便事業とは切り離して役場の中に作る方がいいのでは?                     他方、少なくとも郵便事業をしない部類の「特定郵便局」はいらないと思います。                  しかし、理屈抜きで『あっても良い』という立場ならばそうも思えないんでしょう、、、、                   現憲法を守れって政党が郵政民営化反対って立場を明確に打ち出してましたが、                  しかしそれを言うならば「特定郵便局」は憲法14条;法の下の平等、15条;全体の奉仕者、22条;職業選択の自由、以上をふまえて99条;公務員の憲法尊重擁護義務に抵触する制度のように思えますがどうでしょうか?                    憲法って元々公務員が国民にはたすべき義務を定めたものっていう考え方もあるんですよね?                         だんだん論点が変な方へ行ってるようで申し訳ないですが。                     それと、これ関連の話題ではつっかかってばかりみたいでも、それ以外は面白く読ませてもらってるんですよ。                   
Posted by at 2005年09月27日 01:21
失礼、またやりました。
Posted by ココア at 2005年09月27日 01:23
確かに
「郵政三事業」を1つにまとめる必然性は
無いとは思いますね。
ただ「集配をしない郵便局は要らない」
とは思っていなくて
というのは郵便局のキモの1つは窓口の多さで
私もそれがあるから郵便局に口座を持ってるくらいで。
(田舎に旅行に行った時には、これに勝る便利さはない)

憲法論については
法学の素養のある人の意見を聞いてみたく思います。
(いえ、そういう議論は聞いた事ないですので)

>それ以外は面白く読ませてもらってるんですよ。

あ、どうもありがとうございます。
Posted by めたか at 2005年09月28日 00:57
田舎で重宝してるのは集配してる特定郵便局他じゃないかな?                     都市と農村という視点からすれば圧倒的に都市部に集配してない特定郵便局が多いと思いますよ(東京がbPは確か)。                     保険の手数料収入なんか商売の出来る所得の高い地域って考えれば当然でしょう。                     民間の雑多な商品からなる生保業界全部に簡保だけで匹敵してる(手数料収入は給与とは別らしいから申告はどうなってるんだろうか?)なんて想像を絶しますが、、、、                     疑問形が多いのは『特定郵便局』の実態が闇の中だから(役所なので仕方ない?仲間内で監査?があるそうですが、それって相互牽制?)。                     簡保・郵貯は相続税脱税の温床みたいですが、しかしまた、これ以上の想像は生産的じゃないですね。公社化・民営化において解明してほしいです。                           こういう文脈といわゆる郵便事業は違うと思うんです。意識的に留保してきましたが。                      そろそろ終わりましょうかね?また別のブログにコメントさせて下さい。
Posted by ココア at 2005年09月28日 23:36
お話を伺ってると
「民営化」の問題というより
「特定郵便局」の問題かなって思いました。
民営化に無関係に、辞めさせる事はできないのかな
って事は、思いましたね。

「実態が闇の中」って事は
他のお役所や公共機関でも多そうですね。
だから、「全ての役所を民営化しろ」って事も
言えるかもしれないですね。

>また別のブログにコメントさせて下さい。
あー、お願いします。
Posted by めたか at 2005年09月29日 07:10
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