・この本は会計を「分かり易く」
かつ「面白く」説明する事に成功している
・分かり易く説明する事は
初心者だけでなく上級者にも重要
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忙しくなくなったら
いきなり遊びモードに入ってしまった
めたかです。
(いえ、しばらく後にプライベートで
ちょっと色々あるので
今のうちに遊んでおこうって感じで。)
さて。
「ビジネス書初心者向けの書評」シリーズ
この第二弾は
あのベストセラーの登場です!
・さおだけ屋はなぜ潰れないのか?
もう有名な、今年一番のベストセラー
なんですけども
でも、ここでも改めて推奨したいと思います。
というのは
この本は、ホント素晴らしい本だから、です。
「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」
という疑問は
多くの人が「なぜ?」って思う
興味を引く話だと、思うんです。
そういう意味で
まず「タイトルの掴み」はオッケー。
というか
実は私、この本って
単なる「トリビア関係の本」って
思っていたんですよぉ!
しかし、それが実は「会計の入門書」だって聞いて
それはチェックしないといけないなぁ
って思いました。
で、内容ですが
表題の疑問を始め
「住宅地の中にある高級フランス料理店は
なぜ、やっていけるのか?」
のような「答えの知りたい疑問」に
答えを出す過程で
会計の考え方を上手く絡めて説明する
という素晴らしいものでした。
えっと
アマゾンのレビューを見ると
ボロックソに書いてるのが目立ちますが
そういう事を書いてる人は
「自分だけが賢いと思ってる馬鹿」
と言って良いでしょう。
その事を、ここから説明しましょう!
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私はずっと、自然科学を
専門外の人にも分かり易く伝えるってのを
意識してやってきました。
分かり易く説明するって事は
実は、なかなか難しい事なんですよね。
だから、ずっと練習してきて
それなりに技術も身に付けてきたつもりで。
その成果と言えるのが
ほぼ日でのノーベル賞の解説ですね。
このブログでも
RNAの解説とかもやっていますね。
こういう「技術」も一朝一夕に身に付いた訳じゃなくて
ずっと練習して磨いてきたつもり、です。
それで
「分かり易く説明する」って事は
ある程度はやれるようにはなってきた
っすけども
それだけじゃ
「科学を伝える」って事には不充分だな
って思ってきているんです。
何が足りないかって言うと
それは「面白さ」って事なんですね。
科学というものそのものにに
元々興味のある、面白さを感じる人なら
「分かり易く説明する」ってだけで
興味深く読んでくれる事でしょう。
だけど
多くの人にとって
「科学そのもの」に、そんなに興味は無い。
そういう人に
最後まで興味を持って読んでもらうには
「分かり易く」だけでなく
「興味深く」書く事が出来ないといけない
と思うんです。
そして!
この本は、それがちゃんと出来ている本
だと思うんです。
ベストセラーになって
多くの人が面白がって読んだ訳ですから
話として面白いのは
間違いないでしょう。
で
読み易いですし
「簡単過ぎる/薄っぺらい」
なんて言われるくらいですから
充分に分かり易いものだとも言えます。
と言っても
間違った事を書いた訳じゃないようですし。
(ボロクソに書いてる評でも
会計の概念の間違いを指摘してるのは
なかったようですしね)
加えて
初心者向けで重要かなって思うのは
単に「知識」を紹介するだけじゃなく
「考え方」を紹介してるのが良いと思います。
と
「初心者向け」での、この本の素晴らしさを
説明してきた訳ですが
そういう、この本の特徴は
この分野を既に多く学習してきている人にも
価値あるモノのハズなんです!
分かりやすく説明する事の重要性
もう端的に書いてしまいましょう。
「分かり易く説明」できない事って
実は、ちゃんと理解できていない
とも言えると思っています。
分かり易く説明しようとすると
ちゃんと分かってないと
出来ないんですよね。
(それに気付く事が
「他人に教える事」の一番の利点です)
そういう訳で
この本をボロックソに貶す人は
一度、自分で会計の内容を分かり易く説明する
ってのをやってみれば良いと思う。
それで、ちゃんとできるのなら
私は何も言わない。
だけど、多くの人は出来ないでしょう。
そういう意味で
この本から学ぶ事は大きいんです!
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ただし。
この本にも1つ、弱点があるかな
って思います。
それは「体系的じゃない事」ですね。
元々、そういう事を目指した本じゃないんですが。
だけど
「体系」で捉える事で
新たに見えてくる事もあるんですよね。
そこだけは、足りないって思いますが、
だけど
「分かり易く」かつ「面白く」
会計を説明できてるって意味で
既に100点満点の入門書だって思います。
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この本、書きかけたまま公開を忘れていたら
ほぼ日でこんな連載が始まってしまいました。
期待します。