『バカの壁』を読んでいます。
ベストセラーって基本的にあまり興味ないし、
しかもあれだけのベストセラーならなおさら。
内容も、聞く限りでは、あまり読みたいって話じゃなし。
でも、
何故に今さら読もうと思ったか、と言いますと、
ウェブでの言論状況について、
書こうと思っている事が、
この『バカの壁』に関連しそうだって思ったので。
(これだけのベストセラーなら、
前提として使って良いでしょう!)
それで、
言及するなら、読んでおこうって事で。
で、
今、一度目は読み終わったんですが
「2度読んで、はじめて読んだことになる」
って事なので、
GWにもう一度しっかり読み直してから、
詳細な書評を書こうかなって思っていますけど、
今のところの感想を書けば・・・
不幸な読まれ方をしている本だな
って事です。
でも、
その原因は、この本(というか養老さん)にあるなって。
それは
一言で書けば
「バカの壁を説くこの本が、
バカの壁に陥ってしまっている」
って事ですね。
この本って要するに、
養老さんの考え方である「唯脳論」の本なんですね。
乱暴にまとめれば、
現在社会は脳化社会である
というのが「唯脳論」なんですけど、
この『バカの壁』でも、
色々な事象に対して「あれも脳化だ」「これも脳化だ」って言ってまわってる、
そういう本なんですよ。
でも、
本当にそれが「脳化」にあてはまるかどうか、の、
慎重な検討がない。
だから、
「唯脳論」という1つの考え方だけで、
色々なモノを斬っているって本になっちゃっている。
でも、
それこそが、養老さんの言う「バカの壁」って事じゃ、ないですか?
なんか、
養老さんって、考え方は近いところもあるのに、どうも受け付けなかったんですけど、
その理由がよーく分かっちゃいました。
なるほどなー。
まあ、
これ以上については、
また機会を改めて書くことにします。
ただ、
文系の学者さんによれば
「少なくとも文系的知識に関してはトンデモ本レベル」
って評価があるって事は、付け加えておきましょう。
追記
コメント欄、やっぱり書けないので。
ろぷさん、コメントありがとうございます。
そうですよね。
確かに無茶苦茶な本なんですが
(書いた本でなくしゃべったのをまとめたってのも、
厳密さを欠いた原因かも)
彼の「唯脳論」という視点は、
知っておいても良いとは思うんです。
(4章に主に書いています。)
また、
その元となった「科学観」は妥当だと私は思いますし。
(それは1章の途中から。)
なんで、暴論には目をつぶりつつ読めば、
それなりに発見はある本、かも・・・
(また詳説します。)
確かに、キッチリとした証拠を示してないのでドコか尻切れトンボの気がしましたね。
まぁ、それが狙いのなのかもしれませんが…
ウンチクを語っていくならキッチリと証拠を示して解説するべきだし、解説しないなら、もうちょっと違うアプローチのしかたもあるんじゃない?って気がします。
読んだ後で「結局何が書いてあったの?」って感じですかね(笑)
養老ファンには申し訳ないですけど、僕的には「買って損した」って感想です。