「アミノダイエット」について取り上げてらっしゃいますね。
アミノ酸と言うと思い出すのが次の話。
「カロリーゼロのアミノ酸飲料」ってのが出だした頃、
職場(生物の研究をやっています)の人が
「アミノ酸が入ってるのにカロリーゼロって、おかしくない?」
ってぼそっと言ったんですよ。
これは要するに、
アミノ酸ってたんぱく質の原料で
(アミノ酸がいっぱい繋がって
特定の形になったものがたんぱく質)
つまり、
アミノ酸自体が「カロリー」のあるものなんですよ。
(だいたい、1グラム4キロカロリー。
高校の生物の教科書によると、ですが。)
それを1000ミリグラム(=1グラム)も含んでいるのに、
「カロリーゼロ」はないだろう・・・って。
それがちょっと面白かったんですよ。
(ちなみに、
100ミリリットルに5キロカロリー未満なら
「カロリーゼロ」と表示して良いって事らしいです。)
その時に、
アミノ酸のダイエット効果ってのの、
科学的根拠を調べてみたんです。
でも、
結局よく分からなかったんですよ。
「特定のアミノ酸が脂肪分解酵素を活性化する」
という記述はあったのですが、
それがどういう実験のデータなのか、
結局みつけられなかった。
それが分からないと、
科学的に評価しようがないんですねー。
(例えば、
活性化って、インビトロ(体外)なのか、インビボ(体内)なのか、
どれくらいの量でどれくらい活性化するのか、
インビボの実験なら、アッセイ方法はどういう手法でやってるのか、
投与方法はどうなのか・・・
などから、どれくらい意味のある情報かが判断できるんですけど。)
個人的な疑問を言えば、
食物として取ったアミノ酸が、
どれくらい脂肪細胞での濃度を上げるのか、
って思うんですね。
人間の体って複雑に制御されていて、
糖分を取ったからすぐに血糖値が上がる、
なんて単純なものではないですから。
あと、
もっと大事だと思うことがあります。
アミノ酸は、たんぱく質をバランスよく食べていれば、
充分に必要量は摂っているハズなんです。
たんぱく質を消化したらアミノ酸になるんですから。
(バランス良くってのが大事で、
というのは、たんぱく質の種類によって
含まれるアミノ酸の割合が異なるので、
色んな種類のたんぱく質を摂る必要があるかなって。)
なので、
スポーツ選手のように激しい運動をするため、
食物で摂るだけでは足りない人ならともかく、
普通の人がサプリメントで補うのはどうかって思うんです。
下手すると、
たんぱく質の消化能力を退化させてしまわないかって。
あと、
あまりにアミノ酸を過剰摂取するのも大丈夫かなって思う。
というのは、
エネルギー源としてアミノ酸が使われると
炭水化物や脂肪と異なり、
老廃物としてアンモニアが出てしまいます。
その処理のために肝臓や腎臓に負担をかけないかなって。
ま、そんな影響は小さいかもしれませんけど、
体質によって肝臓・腎臓が弱い人もいるでしょうし・・・
まあ、
ダイエットの専門家ではないので、
科学的な事は言えないのですが、
生物専門の人間として、疑問はいっぱいあるんです。
(なので、
根拠となる文献をご存知の方は教えてください。)
・・・ごめんねー。
盛り上がってるトコに、何か水さす事書いて・・・
お詫び代わりに、
私が良いと思う「ダイエット法」を。
でも、
生物を専門に勉強してきた私の「生物観」から来たもので、
科学的根拠はないって事は、
断っておきます。
平凡ですが、
バランスの良い食事をする、
カロリーを摂りすぎない
適度な運動をする
・・・って事ですが、
もう1つ、大事だと思うのは
「朝食をちゃんと摂る」って事です。
生物の体は飢餓状態に長く置かれると、
なるべく栄養分を貯蔵しようとする、
みたいなんです。
(ちなみに一番貯蔵効率が良いのが脂肪)
なので、
一番飢餓状態が続く睡眠時間の後に、
きちんとカロリーを摂らないと、
さらに飢餓状態になって
脂肪が貯まりやすくなるんじゃないかって。
だから、
太らないといけない相撲取りさんは、
朝食を摂らずに朝稽古して、
それからちゃんこ、そして昼寝・・・
食生活のリズムがお相撲さんになってる人は、いませんか(笑)
(朝食抜いて、仕事して、
昼食後、軽く昼寝・・・みたいな。)