2004年10月03日

CCCD問題とプロ野球問題は同じ構造

さて、それで、
CCCD強要を止めようという動きになって、
まあ、めでたし、なんですけど、
「結局CCCDって何だったの?」って話題が、
色々な所で出てきています。
私も、この問題については、ずっと考えてきたし、
色々と買いたりもしてきましたので、
総括的な事を書こうって思います。

で、
最近ずっと、プロ野球の問題を取り上げてきたんで、
その時にずっと思っていた事
「プロ野球の問題とCCCDの問題って、
 根っこが同じだよなー」って。
それは、萩原健太さんも言ってたんですが・・・

それは、一言で言ってしまうと
「消費者ってのを、こんなに蔑ろにして、
 商売ってやっていけるって思ってるんだろうか?」
って事なんですけどね。

えっと、
「球団がなくなるとイヤだ」ってのも、
「CCCDじゃイヤだ」ってのも、
まあ、ファンの我がままなんですよ、基本的には。
でもね、そういう我がままにこそ、
商売のヒントってのがある訳でしょ。
つまり、我がままってファンの希望なんですから、
それをかなえていけば、お金が儲かるっていう・・・

だから、
ファンを蔑ろにすると、
だれも、そんな商品、買わなくなるですよ。
それに対し「経営の論理」ってのを振り回しても、
そんなん、我がままなファンは知らないっての。
ただ、その娯楽から離れていくだけ、でしょう。
この問題で騒いでいたファンってのは、
まだまだ、商売をする人にとっては
「有り難い客」でしょう。
多くのファンは、 何も言わずに
単に離れていったんじゃないかなって、思う。
(そして、それが、その商売にとって
 一番ヤバいものだと思うんですが。
 だってさぁ、
 両業界とも、別にそれを買わなくったって
 消費者としては全然、
 やっていけるものですからねー。)

ただ、
一つ大きな違いってのがあって、
野球では、選手の方が、戦ったでしょう。
ファンの言い分を通そうと、したでしょう。
もちろん、それが自分たちの利益とも
共通したからってのはありますけど。
でも、
「自分たちにとって大事な存在」である選手が、
自分たち側にいるって感じられた事は、
ファンにとって大きいでしょう、
ファンが見捨てない動機には、なったと思うから。

でも、
CCCD問題に対しては、
「選手」にあたる「ミュージシャン」の対応は全く逆で、
経営側についてファンを蔑ろにする側に回ってしまった。
(数少ない例外を除いて、ですが。
 やっかい事扱いしたミュージシャンもいました、よねー。)
それは今後、ボディーブローのように
効いてくるだろうなって思う。

レーベルがCCCDから基本撤退になった理由は、
それで売り上げが回復しなかった、
むしろ減ってしまったから、でしょう。
でも、
この件で、一度消費者に
不信感を植え付けてしまった後で、
(しかも、レコード輸入権って酷いモノもダブルパンチです。
 不信感は、さらに高くなっちゃった、ですよ!)
やめたからって、すぐに戻るとは思えないですよね。
いや、
「CCCD不買」ってやってた人たちはすぐに戻るって思いますよ、
だけど、
「何も言わずに去っていった人たち」は、
殆どはすぐには戻らない、でしょう。
(あと、不買ってやってた人も、買わない事に慣れちゃったから、
 前ほどの枚数に戻るのには、時間がかかるって思うよ。)

そういう意味では、
音楽界に大きな爪痕を残してしまったなぁって思う。

あとね、
CCCDって、ロックとか、
要するに「ポップミュージック」の分野で
多く導入されたんですが、
その分野って、実は、
本当に「音楽の実力」で食っていける人って
一握りしかいない、んですよー。
殆どは、
タレントとしての魅力で売ってる人たち、でしょう。
(だってねー、ホント、大した事ないのよー。
 ライブとかで満足に音程が取れない歌い手なんて
 山ほどいるし・・・)

だから、
ポップミュージックって、思想的な面が
それを売るって事に大きな影響がある訳です。
って考えると、
このCCCDって、致命傷なんじゃないのって思う。
これを容認した人たちが、
何を偉そうに「自由」とか言っても
何の説得力もないよって思う。
何も戦えなかった人間が、
間違っても「戦え」とか歌うなよって思う。

かなり毒吐きましたけど、
音楽産業の未来は暗いと思う。
でも、
音楽産業がなくなっても、音楽は無くならないんです。
って事で、
「音楽産業」って事と関係なく、
音楽自体の土壌を痩せさせないようにって事を、
長期的な視野で考えていけたら・・・

私は、そういう事を考えています。

他の視点からも、色々と語る事はできますけど、
でも、
色んなトコで散々言ってきた事なんで、
それは、もう良いかなって思ってます。
それより、
「ファンの責任」とか言う人が、
音楽でも野球でも居るので、それに対して一言。

ファンに「責任」があるとするならば、
ちゃんと、自分の「要望」を、声をあげるべきだって事、
私は、それしかないって思っています。
つまり、
自分の「我がままな声」を
ちゃんと色々な手段で表現していかないと、
あっち側には届かないよって。
でも、
それが「単なる我がまま」で片付けられないように、
少しでも説得力が出るように、
世論を味方につけるために・・・
色々な事をしないといけないよねってだけです。
(そういう「努力」を、
 「ファンの責任/義務」みたいに話す人が居て閉口ですわ。
 それは、
 野球の問題やCCCDの問題を「正義の戦い」ってするのと
 同じくらい愚かな事だと思うな。)
うーん、これも何度も書いてきてる事って気がするなぁ。

あと、野球の事も書くつもりだったんですが、
そんな余裕はなさそう。
とりあえず、イチローおめ。
(イチローは、今後どこまで記録を伸ばすのかなって、
 そっちも楽しみですよ!)
posted by めたか at 02:22| Comment(0) | TrackBack(0) | オピニオン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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