2005年03月23日

[at]「進化論」から学べる事

うわっ!
ぐっさんがブログを始めているっ!
(あんま関係ないエントリですがTB飛ばしておこう)
どーも。めたかです。
今日は帰って来るのがすごーく遅かったので、
前々から用意していた原稿を使います。
でも、
これを今アップするのって、良いタイミングかなって・・・


###
「進化論」に限らず、自然科学の知見を
そのまま社会に当てはめるというのは
あまり適当でない場合が多いのではないかなって
実は思っています。
その知見や理論の前提が、当てはめている社会と異なっていたり、
する場合が多いんじゃないかって事で。
でも、
進化論については、実は私の物事の考え方の基礎というべき部分で
影響を受けていたりするんですよー。
なんで、
今日は、それを解説してみようかと思います。
(全く自己流のまとめ方で申し訳ありませんが、
 これくらいシンプルな方が理解しやすいと思います。)


良く、進化論的な考えで社会を見る場合
「弱肉強食」みたいな見方をされる事が多いのではないかと思います。
でも、
私に言わせれば、それは、「進化論」をちゃんと理解していない
考え方じゃないかなって思うんですね。

まず、進化論について。
進化論は、ダーウィンが提唱した理論です。
それは、簡単に言うと次のような理論です。

地球上の生物は、まず、小さい単純な生き物が生まれ、
その単純な生物が進化する事によって、
今ある、多様で複雑な様々な生き物ができた


という事を説明する理論です。
その理論のポイントとなるのが「進化」というものであり、
この「進化」が、どのように起こるのか、というのが
理論のキーなんですね。
それは

遺伝子の変化(突然変異)によって、
これまでと異なった生き物が生まれる。
そうやってできた、様々な異なる生き物が、
長い時間をかけるなかで「自然と淘汰」されて
生き残るのに最適な生き物が生き残った
この長い繰り返しによって、
だんだんと複雑な生き物ができていった


というものです。
このポイントは2つあるんですよね。それが
・突然変異(による多様な生物の創出)
・自然淘汰(による適者生存)

なんです。

多分、「進化論」を「弱肉強食」的な援用をする方って、
この2つのポイントの後者・自然淘汰の面だけを
見ているんだろうと思うんですね。
だけど、
実は、前者の方も、「進化論」には重要なんです。

進化の歴史を見ると、
大きな進化がある前には、もの凄く多くの種が生まれているんです。
つまり、多様性が非常に大きくなる時期というのがある。
有名なのが「カンブリア爆発」なんですが。
そうやって、
たくさんの種類の、しかも様々な特徴を持った多様な生き物が
爆発的に多く出現する事によって、
その後の「進化のスピード」が速くなる。

それは、
種類が増える事によって、色々な事が「試す」事ができたから
と考える事ができるんですね。

また、
生き物には、「多様性を高める」ための仕組み
というものも、備わっているんです。
例えば、
人間をはじめ、多くの生き物が
子孫を作るために、「父親と母親」から遺伝子を受け取り
シャッフルして新たな遺伝子を作っています。
これは、「効率」だけを考えると非常に効率が悪い、ですよね。
だけど、
「多様性を高める」という意味では、非常に役立っている。

(ちなみに、
 「多様性の重要性」という点で大きな功績があったのが
 木村資生さんという日本人研究者です。
 彼が提唱した「分子進化の中立説」は、大きな議論を呼んだそうですが、
 現在では広く受け入れられています。)


###
進化論は専門ではないので、
あまり突っ込むのは止めておきます。
(淘汰の影響はどの段階でどの程度かを推定する
 複雑な学問になってきているようです。)
ただ、
「基本」としては、ここに書いたことを押さえておけば
良いのではないか、と。

それで。
私はこの「進化論」から、
自分の価値判断の1つを学んでいたりするんです。

それは
多様性こそが重要だ
というものです。

自分自身の考える方向として、
物事とか考え方とかを「均一」にしようと、
つまり「多様性を損ねる」という方向のモノは、
基本的にどこかおかしいのではないか、と考えるんです。
逆に
「多様性を高めよう」とするものは、
基本的にオーケーな考え方と思うんですね。
もちろん、
これだけが判断基準ではないんですけど、
でも私にとっては基本的な基準にはなっているんです。

手前味噌ですけど、
この考え方って、割と広く使えるものじゃないかって
思っています。
だってね、
「多様性が小さい」ものから生まれたものって、
それだけ「狭い範囲」でしか試されていないって事でしょう。
それは、その分だけ「弱い」って思うんですね。
逆に
「多様なものの中から生まれてきたもの」って
より「広い範囲」の試行がなされたって訳ですから、
その分、よりしぶといものじゃないかって。
これは、
別に「進化論」なんかを持ち出さなくても、
割と常識的に理解できる事だと、思うんです。
(というか、
 「進化論」自体が、そういう常識的な考え方から
 生まれてきたものだって言えるんでしょうね。)

他にも、例えば。
組織という点でも、同じような人間ばかり集めると、その分
「変化に適応できない弱い組織」になってしまうだろう、
とか、
「より多様なモノが共存できるやり方が、より良いものだ」
とか、
「オルタネイティブ」って大事だね、
とか、
割と私自身の価値観に沿ったものが、
全部これに繋がってきちゃうんですよ。

そういう意味で、
キーワードは「多様性」じゃないかなって
思っていたりします。
そしてそれは、
私の中では「進化論」に裏づけされている考え方で、
「進化論」から学んだ事なんです。
posted by めたか at 01:25| Comment(0) | TrackBack(1) | 学問 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

この記事へのトラックバック

進化論は正しいのか
Excerpt:  すべての動植物は進化して現在の姿になったことにされている。植物に関しては偶然の突然変異によると、習った記憶があるが、偶然にしては出来過ぎている。   植物の種が、湿度の変化を利用して土に潜ったり、航..
Weblog: 変見
Tracked: 2005-04-06 13:00