2006年02月01日

クイック書評・プチクリ!―好き=才能!

クイック書評第2弾は、
何度かこのブログで触れたこの本です。

プチクリ!―好き=才能!




始めに、
あえて著者が強調してないネガティブな事を書きます。

「プチクリ」をしていくには
他に、生きていくための職業を持たないといけません。
「プチクリ」だけをやって楽しく生きていく
って事ができる訳ではなくて、
他に、
ひょっとすると本人にとっては辛いかもしれない
「生きていくための仕事」というのを
やらないとイケナイ訳です。
その「仕事」に自分の時間の大部分を取られてしまって
残りの少しの時間で「プチクリ」をする事になる
そういう事は、
まず抑えておかないとイケナイと思います。

身も蓋もない書き方をしてしまえば
『プチクリ』というのは

クリエイティブというのは
仕事にするよりも趣味でやっていく方が
お気楽で良いよ

ってだけの話だとも言えるでしょう。

しかし
著者の岡田斗司夫さんは、
「それだけの話」を
とても楽しい、輝けるものとして
描く事に成功しています。
それどころか
「才能=好きな事だ」として
誰もが「(プチ)才能」を見つけ育てる方法論を
解説もして
「表現する事」に、背中を押しているんです。

「プチクリ」というキャッチーな言葉と
付随するコンセプトを発明し
「趣味で何か作ったりする」事を
前向きな方向に一歩進めている。
また
忘れてはいけないのは
著者がこういう事を提唱できるだけの環境が
揃ってきた、という事もあるでしょう。
同人マーケットの成熟に加え
ネットの普及によって
「趣味のクリエイティブ」が「発表」できる場が
整ってきたと言えます。
ブログの隆盛なんて、その最たるモノでしょう。


他にも「アツい事」を語りたくなる本ですが、
それは過去に2つほど書いていますので、
それを紹介する事で本稿を締めます。
ブログは「メディア」である
クリエイティブは何の為に・・・
posted by めたか at 23:58| Comment(3) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2006年01月31日

クイック書評・花を売らない花売り娘の物語

短い書評シリーズ、一発目は
本来なら『秋のビジネス書・書評シリーズ
でラストに取り上げる予定だった本です。
なので、
当然、強くオススメな一冊です。

花を売らない花売り娘の物語




人って基本的に
「より良き未来」を希望するものだ、と思う。
諦めたり絶望してる事はあっても
心のどっかで「より良き未来」を
希望してるんじゃないでしょうか。
もっとも、
その「より良き未来」ってのが人によって異なるから
色々な衝突なんかがあるんですけども。

この本の著者は、
IBMのマーケティング部門で働いていた
マーケティングの専門家です。
なので、この本も
マーケティングの歴史から「これからのマーケティング」
という流れを解説している本です。

でも
この本は、マーケティングの進む方向を
分析し解説している本というより
マーケティングを通して、
著者が見ている「未来像」を語った本だと私は思う。
「分析の本」ではなく「志の本」
と言うべきじゃないでしょうか。

でも
この本を読むと、それは必然じゃないか、とも思う。
なぜなら
マーケティングとは、あくまで「お客さん」を
扱うものだから。
「お客さん」は、自分が「良いもの」と思えないものに
お金なんて払わない、でしょう。
そういったものを集めた集合たるマーケティングは
人々の「未来への希望」というものを
投射したものになるはず、だから。

その上で
この本が素晴らしいと私が思うのは
人々の「未来の希望」を分析しよう、とするのではなく
自分から「未来の希望」を提示している姿勢です。

そう。
「誰か」が考えてる事を探るよりも
「自分が」思う事を提示する方が
はるかに大変だし、しかも尊いものじゃないか
と思うんです。
(また、その提示している事にも
 共感するところが大ですし。
 というか、
 私がこのブログで訴えてきた事と
 共通する部分も多いと思います。)


##続きを読む
posted by めたか at 19:17| Comment(2) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年10月22日

現代社会の「基盤」を識る・暗号技術入門

(この記事の概要)
・単なる技術解説本ではない
 社会における意味合いまで解説した
 ビジネスに必携の本
・今のネット社会のセキュリティーに
 必須の技術を解説した本
・特に「認証」についての理解は
 騙されない為に必要だし
 そこでミスするとビジネスにも致命傷
・社会において
 「信用」がどのように作り出されるか
 についてまで掘り下げた
 社会の基盤まで考察対象に入った本


###
しばらく本の紹介が空いてしまいました。
紹介する本が溜まっています。
さっさとやっていきましょう。

本日、紹介する本はこちら。
暗号技術入門-秘密の国のアリス




「なーんだ、ビジネス書じゃないじゃないか」
と思う人も居るかもしれません。
そう、
この本は「ビジネス書」ではありません。
だけど、あえて「ビジネス書」として
この本を紹介したいって思ったんです。


この本のスゴい所を先に書いておきましょう。
この本は、基本的には「技術解説書」です。
技術の解説の部分は
あくまで分かり易いです。
「アリス」とか「ボブ」と言った
具体的な人の名前を挙げて
分かり易い具体例を提示して説明する手法も
見事に決まっていますし
ポイント・ポイントで、重要点を整理し
細かな所を飛ばしても読み進めるように配慮。
分かりにくいポイントも非常に丁寧に説明し
知識の確認の為、練習問題まで設ける念の入れよう。
よって
技術書を読み慣れていない人でも読めるでしょうし
本格的に勉強したいって人も
ちゃんとポイントを理解する事も可能でしょう。

だけど
この本の真価は、
そういう部分のみにあるのではないんです。

この本の本当の真価は
「技術」が社会において、どういう意味をもっているか
をキチンと解説している所です。
というか
それは「暗号技術」ってものの特性と
さらに、今のネットの状況って事が
大きな意味を持ってくるんですけども・・・


・・続きを読む
posted by めたか at 23:50| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月20日

100点満点の「会計の入門書」・さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

(この記事の概要)
・この本は会計を「分かり易く」
 かつ「面白く」説明する事に成功している
・分かり易く説明する事は
 初心者だけでなく上級者にも重要


###
忙しくなくなったら
いきなり遊びモードに入ってしまった
めたかです。
(いえ、しばらく後にプライベートで
 ちょっと色々あるので
 今のうちに遊んでおこうって感じで。)


さて。
「ビジネス書初心者向けの書評」シリーズ
この第二弾は
あのベストセラーの登場です!
さおだけ屋はなぜ潰れないのか?



もう有名な、今年一番のベストセラー
なんですけども
でも、ここでも改めて推奨したいと思います。
というのは
この本は、ホント素晴らしい本だから、です。

「さおだけ屋はなぜ潰れないのか?」
という疑問は
多くの人が「なぜ?」って思う
興味を引く話だと、思うんです。
そういう意味で
まず「タイトルの掴み」はオッケー。

というか
実は私、この本って
単なる「トリビア関係の本」って
思っていたんですよぉ!
しかし、それが実は「会計の入門書」だって聞いて
それはチェックしないといけないなぁ
って思いました。

で、内容ですが
表題の疑問を始め
「住宅地の中にある高級フランス料理店は
 なぜ、やっていけるのか?」
のような「答えの知りたい疑問」に
答えを出す過程で
会計の考え方を上手く絡めて説明する
という素晴らしいものでした。


えっと
アマゾンのレビューを見ると
ボロックソに書いてるのが目立ちますが
そういう事を書いてる人は
「自分だけが賢いと思ってる馬鹿」
と言って良いでしょう。
その事を、ここから説明しましょう!


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posted by めたか at 23:10| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月15日

ビジネス書初心者向け書評・『経営者の条件』(ドラッガー著)

(この記事の概要)
・この本はタイトルは間違い。
 決して経営者についての本ではない
・全ての自律的に働く人に向けての本
 それらの人が成果をあげるやり方を解説
・高度に抽象的な内容なので
 適応範囲は広いが、同書の内容を
 自分の「具体」に自分で結びつける必要がある


###
どうも。
旅に出ろ」と言われたので
旅行の準備をしている素直なダメ人間
めたかです。
(イヤミだなぁ。
 でも、もっとつっついても良いと
 思い始めていますけど。)


前々から予告していた
「ビジネス書初心者向けの書評」シリーズ
選挙後すぐにやるつもりだったんですが
今日から、始めますね。
ダメ人間がお送りする全く説得力のない(笑)
ビジネス書解剖です。

その始めにお送りするのはこの本です。

新訳 経営者の条件(ドラッガー著)


と言う事で、いきなりドラッガーです。
だけど
やっぱり、ここから始めるのが一番良いと思いました。

と言っても
私、全然、ドラッガーって知らなかったんです(笑)
さすが「ビジネス書初心者」ですよね。
だけど普通、一介の技術者は、知らないよぉ?
ただ
ほぼ日でイトイさんが
「ドラッガーはやっぱりスゴい」
って内容の事を何度も言っていたので
一度、読んでみようって思っていました。
なんで
旅先で読む本が欲しいなって時に
何冊か手に取って、
一番良さそうなコレを買ったんですね。

ドラッガーって、
経営学の大家、というより
経営学というものを創始しかつ確立した人
だそうです。

で、読んだ感想は
「それだけの事はあるなぁ」というものでした。
(だから「ここから始めよう」と思った訳で)

具体的な内容については
ネタバレになりますので
追記部分に書きますね。


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posted by めたか at 23:45| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月09日

経済で必要な事は?(クルーグマン教授の経済入門)

(この記事の概要)
・この本は経済学についての
 体系的な知識を与えてくれる
・政治で生活に大きな影響があるのは
 経済的な課題。
 なので経済について理解した方が良い
・経済で大事なのは
 「生産性」「所得分配」「失業」の3つ
・今、大事なのはデフレ対策だと思う
・ホントの意味での「経済の発展」は
 新しい「価値」を生み出す事


###
ちょっと前に予告した
「読書の秋・秋の書評シリーズ」ですが
ホントは、最初に書く本は決めていたんです。
でも
選挙前に紹介したい本があったので
イレギュラーですけど、
先に、こちらの本の紹介を書きますね。

それは、次の本です。
・クルーグマン教授の経済入門



この本は、文庫本になる前に
読んだ事がありまして。
経済音痴の私の「経済の知識」は
殆どこの本のものと言って良いでしょう。
(あと「マネー敗戦」って本も分かり易かった。
 為替関係の知識は、この本レベルですね。)

経済学をちゃんと勉強していない
私にとって
それなりに本も色々な記事も読みましたけど
この本ほど、分かり易く
かつ説得力のある本って、ありませんでしたね。

経済の事って
やっぱり、分かっておいた方が良いと思うんですね。
それも、単なる知識の羅列じゃない
体系的」な知識を。
この本は、それを与えてくれる良い本だと思います。
(ま、実際に経済学をちゃんと勉強した人
 から見れば、色々あんのかもしれませんけど。)


###
それで、
この本を選挙前に紹介したいと思ったのは
ですねぇ。
政治に望む事、というか
私たちの生活に大きな影響を与える事って
やっぱり経済だと思うんです。
政府の経済対策がどうかってのは
経済に影響あると思いますし
そして
景気がどうか、などの経済状況って
私たちの生活に、大きな影響を与える、でしょ?

そういう意味で
政治について、ちゃんと判断しようと思うと
経済について知っておいた方が良いでしょう。

と言っても
それでこの本を手に入れて
読んでしまうのに
時間がかかりますよね。

なんで
私がポイントと思う所を
ちょっとだけ。

この本で主張している事ですが
「経済」において、
私たちの生活にとって最も重要な事は
次の3つだって。
・生産性
・所得分配
・雇用と失業
2つ目、3つ目については良いですよね。
所得分配が上手く行われている
つまり、貧富の差が小さい社会ほど
良い社会って言えるでしょうし
(貧富の差が大きいと社会の雰囲気が悪くなるって)
失業が少ない社会ほど、良い社会と言えるでしょう。

それで
1つ目の「生産性」ですよね。
生産性というのは
一人が生み出す富の量
正確には、
労働者が生み出したモノの金額を
総労働時間で割った値
になりますね。

これが重要というのは
その国の経済が、どれだけ豊かか
というのは
ほとんど「生産性」で決まってしまうから
なんだそうです。
その国が、どれだけの「富」を生み出す事ができるか
というのが
その国がどれだけのモノやサービスなどを
消費出来るかってのを決めてしまう、訳で。

そういう意味で、
「生産性」は大事なんですけども。
でも。

例えば、
「IT革命は生産性を上げる」
って良く言われていましたけど
それが「生産性を上げる」のは
こういう理屈だと思うんです。

ITを導入すると、
同じ「富」を生み出すのに
より少ない人手で出来るようになる
なので
「分母」が小さくなるので
生産性が上昇する。


そして
多分、「構造改革」って事で
考えられてるのも
ほぼ同じ理屈だって思う。

「構造改革」によって
より効率的に(つまり少ない人手で)
色々なこれまでやれていた様々な事が
できるようになる


だけど
こういう理屈で「生産性」を上げても
それって雇用が減ってしまうだけ
って思うんです。

多分
「そうやって、かける人数が減らせれば
 そこで浮いた人を
 新しい仕事に回す事ができる」
そして
「新しい仕事で生み出された富が
 出来る分、社会が豊かになる」
って考えが、あるんでしょう。
だけど
それは「新しい仕事がある場合」
だけだと思うんです。
でも
そんな「新しい仕事」って
簡単に生み出せるものかなって思うんです。
「手の開いた人」を出せば
その人が勝手に、新しい仕事をするようになる
なんて事は、ないでしょう。

だって、
今って、失業率が高い
つまり
「仕事がなくて困っている」時代ですよね。
そんな時代に
効率を上げて、かかる人手を減らして
より「失業する人」を増やすような事をしても
より「失業率」が増加して

それで、消費する人も減るし
不安があるから消費したくもなくなるし
となると、モノが売れなくなって
より「人を減らさないとイケナイ」ってなる
・・・

それが「デフレ・スパイラル」って事ですよね。


だから
今、最もやらないとイケナイのは
デフレ対策だと思うんですよ!
この「デフレ・スパイラル」を絶つ事を
しないとイケナイ、んじゃないのかなぁ。


って、脱線してしまったので
話を「生産性」に戻しますね。

つまり、今の時代では
「効率を上げる」って事で、
「分母」を小さくする事で、
生産性を上げようとするよりも
分母分子を上げること」
つまり
「新たな価値」を生み出す事で
生産性を上げようとする方が
重要じゃないかなって思うんです。


「新しい価値を生み出す」には
どうすれば良いんでしょう?
良く分かりませんが
今までお金を使っていなかったもので
お金を払う価値があるなってモノやサービスを
生み出す必要が、あるだろうって。

それは
今まで、何かで買っていたものの代替品ではなく
それを買う事で
その人の生活にとっても良くなるような
そんな新しい価値である、モノやサービス。
それを、作り出す必要が、あるんだって。

そういう事を、思うんです。


##続きを読む
posted by めたか at 01:10| Comment(24) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年09月01日

読書の秋・秋の書評シリーズ、始めます

あっはっはっは。
映美ちゃんの故郷凱旋公演
こんなんやったんや(笑)
・・・行きたかったな。
(そんな余裕、全くなかったけど)
めたかです。

さて、9月になりましたね。
まだ暑いですが、もう秋ですね。
秋。読書の秋。
って事で、「読書の秋」の企画を始めます。

と言っても、単にたくさん書評を書く
ってだけですけども。

それで、特に書こうと思ってるのが
「ビジネス書初心者向け書評」っての、です。
私、これまであまりビジネス書って
読んでこなかったんですよ。
だけど
最近、ちょこっと読んでいまして、
なかなか面白いなって思うので
初心者向けに、書評を書いて
その面白さってのを伝えようかな
という動機で始める企画です。


9月の最初の記事は
この企画の告知だけです。
明日以降、時間と他の記事を見ながら
少しずつ進めていきます。
posted by めたか at 21:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年05月19日

「誰が数学嫌いにしたのか」書評

数学って聞いただけで
「さよなら〜!」って人も多いかもしれません。
この本は、
そういった「数学嫌い」の人たちが、
なぜ、こんなに多くなったのかって事に切り込んだ本です。

誰が数学嫌いにしたのか
上野 健爾 (著)
日本評論社

この本が、凡百の教育本と違うのは、
序文を読めばすぐに分かります。

>数学嫌いは教育の犠牲者である。
>私自身、数学者として
加害者の立場にあることを
>忘れることはできない。

つまり、
言葉がちゃんと、自分自身にも向いているんです。
自分自身の責任ってモノに、
目を背けていないんです。
だいたい、
こういう評論本って、
自分は外野にいて「分析」したり
「原因」を指摘して斬ったり、
ってふうになりがちです、けど、
この本は違う。
ここを読むだけで、
他とは違う、信頼できるものだってわかります。

著者は、著名な数学者なんです。
一流の学者が、本気で問題を考えているのですから、
その分析は容赦なく、本質に切り込んでいきます。
第一章の「林竹二」は、
数学の知識のない人でも読めるので、
是非、読んでもらいたい。
要は、数学だけの問題ではない、
「教育の問題だ」って事です。
(一言で言えば
 「生命への畏敬が欠けている」)

それより、
第二章の「鈴木大拙」って人の言葉を引用します。

>東洋的教養では意力に偏して、
>知力を軽視する傾きがある。
>それでやたらに道徳的綱目を並べて、
>これを記憶し、又これを履修する方面に
>教育の力点をおいて居る。
>さうして数学や科学のやうなものは、
>実用になればそれでよいとして居る。
(中略)
>従って物事に対しても主観的見方が
>重んぜられて、客観的に事実を直視し、
>その真相を看破しようと云う努力が弛んで来る。
(中略)
>手取り早く間に合うやうにと、
>いくら科学を団子のやうに捏ね上げようとしても、
>捏ね上げられるものではない。

古い文章なので言葉遣いが難しいですが、
意味は取れるでしょう。


ただし、
残念な事に、この本の多くの部分は、
高校以降、文系だった人にとっては難しい部分が、
結構あると思う。
数学雑誌の連載をまとめたって事もあるでしょうが、
この内容や考え方などを、
もっと分かりやすく伝える役割は、
別の人がやらないといけないことかもしれません。
(というか、
 私の役目かなぁ・・・って。)


この本については、
また取り上げます。
(曾野綾子氏への批判とか、
 まだまだいっぱいありますし・・・)


数学嫌い自体と葛藤した本なら、
これでしょうけど・・・
いやでも楽しめる算数
清水 義範 (その他), 西原 理恵子 (著)
講談社
posted by めたか at 23:01| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年05月13日

「バカの壁」詳細書評(連載、第一回)

前に
今さらながら『バカの壁』」という記事を書いていたんですが、
その時に
>GWにもう一度しっかり読み直してから、
>詳細な書評を書こうかなって思っています

>これ以上については機会を改めて書く

って書いていました。
それで、
詳細な書評を書いてみようかなって。
で、
いっぺんに書くのは大変なので、
少しずつ書いていきますね。

で、
2度読んで、はじめて読んだことになる
って事なので、もう一度読んだんですが、
感想は同じでしたね。
「バカの壁を説くこの本が、
 バカの壁に陥ってしまっている」
って事です。

ただ、
ろぷさんへの返事として追記したように、
「唯脳論」という視点や、
その元となってる科学観は、
知っておいて良いと思うんですね。
それが第一章にあるんで、
そこを詳細に解説してみようかなって。

で、

今日は第一章のみを表するんですが。
この章は、良いんですよね。
というか、
この本って、実はこの第一章だけを読めば充分でしょって思う。
(他は、下手すると有害ですらあるかも。)
この章のポイントは、
「バカの壁」という概念と、
科学の客観性・絶対性の否定
になるでしょう。
「バカの壁」は分かりやすいと思うんです。
だけど、
科学については、「え?」と思う人が多いかも。
でも、
私も、科学の捉え方としてはコレが合ってると思います。

つまり、
「反証主義」こそが科学の本質だって事ですね。
それは、
科学の歴史を見れば、
過去に「絶対」と信じられていた「科学」が、
新しく発見されたものによって覆され、
新しい化学の理論が打ち立てられてきた訳で、
なら、今の科学だってそうならない保証はないって、
ちょっと考えれば分かることなんですよ。

ただ、
この説明が親切じゃないし、
間に「客観」についての乱暴な議論が入っちゃうので、
ますます納得できないものになっちゃう・・・

ただ、
肝として言ってることは、
この章は大丈夫かなって思います。
特に
「科学は絶対でない」って事は、
知っておいてほしいな・・・
って、
これは書評と言うより単なる願望ですやん!
posted by めたか at 23:32| Comment(0) | TrackBack(1) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2004年04月29日

今さらながら『バカの壁』

本当に今さらなんですが、
『バカの壁』を読んでいます。
ベストセラーって基本的にあまり興味ないし、
しかもあれだけのベストセラーならなおさら。
内容も、聞く限りでは、あまり読みたいって話じゃなし。

でも、
何故に今さら読もうと思ったか、と言いますと、
ウェブでの言論状況について、
書こうと思っている事が、
この『バカの壁』に関連しそうだって思ったので。
(これだけのベストセラーなら、
 前提として使って良いでしょう!)
それで、
言及するなら、読んでおこうって事で。

で、
今、一度目は読み終わったんですが
2度読んで、はじめて読んだことになる
って事なので、
GWにもう一度しっかり読み直してから、
詳細な書評を書こうかなって思っていますけど、
今のところの感想を書けば・・・

不幸な読まれ方をしている本だな

って事です。
でも、
その原因は、この本(というか養老さん)にあるなって。
それは
一言で書けば
「バカの壁を説くこの本が、
 バカの壁に陥ってしまっている」
って事ですね。

この本って要するに、
養老さんの考え方である「唯脳論」の本なんですね。
乱暴にまとめれば、
現在社会は脳化社会である
というのが「唯脳論」なんですけど、
この『バカの壁』でも、
色々な事象に対して「あれも脳化だ」「これも脳化だ」って言ってまわってる、
そういう本なんですよ。
でも、
本当にそれが「脳化」にあてはまるかどうか、の、
慎重な検討がない。

だから、
「唯脳論」という1つの考え方だけで、
色々なモノを斬っているって本になっちゃっている。
でも、
それこそが、養老さんの言う「バカの壁」って事じゃ、ないですか?

なんか、
養老さんって、考え方は近いところもあるのに、どうも受け付けなかったんですけど、
その理由がよーく分かっちゃいました。
なるほどなー。

まあ、
これ以上については、
また機会を改めて書くことにします。
ただ、
文系の学者さんによれば
「少なくとも文系的知識に関してはトンデモ本レベル」
って評価があるって事は、付け加えておきましょう。


追記
コメント欄、やっぱり書けないので。
ろぷさん、コメントありがとうございます。
そうですよね。
確かに無茶苦茶な本なんですが
(書いた本でなくしゃべったのをまとめたってのも、
 厳密さを欠いた原因かも)
彼の「唯脳論」という視点は、
知っておいても良いとは思うんです。
(4章に主に書いています。)
また、
その元となった「科学観」は妥当だと私は思いますし。
(それは1章の途中から。)
なんで、暴論には目をつぶりつつ読めば、
それなりに発見はある本、かも・・・
(また詳説します。)
posted by めたか at 19:26| Comment(1) | TrackBack(2) | 書評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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