めたかです。
実は、
選手紹介の記事を書いているところで
「これは、ピッチャーの球種についても説明した方が良いな」
って事は、思っていたんです。
なんで、
・「選手名鑑」フォローのための用語講座
の方に、球種解説の記事をTB飛ばすつもりだったんですが。
でも、先、越されちゃいました。
初心者のための変化球講座
そういう訳で、
だいたいのメジャーな球種については
説明して頂きましたので、
こちらでは、「変化球のメカニズム」について、
ちょっと解説してみたいと思います。
(これで、あなたも野球マニアへの第一歩だぁ!
なーんて。)
1.タイミングの重要性
2.ボールが変化するメカニズムの基本
3.「ストレート」とはどんなボールか?
1.タイミングの重要性
まず、最初に理解して頂きたいのは、
「バッターがピッチャーの球を打つ際の
タイミングの重要性」
なんです。
ピッチャーは、140キロものスピードのボールを投げる訳です。
もの凄いスピードで、
投げてからキャッチャーが捕るまで1秒かからないくらいなんです。
そんなボールを打たないとイケナイのですから、
ピッチャーが投げてから打ち始めては間に合いません。
前もって打ち始めておいて、
ボールがバッターの前にちょうど来る時に
バットを振る事ができるように、タイミングを合わせている訳です。
そして、それはちょうど、
ピッチャーの投球動作に合わせて打ち始める事で
タイミングを合わせるのが普通です。
なので、
このタイミングを上手くズラしてやれば、
バッターに上手く打たせない事ができる訳ですね。
変化球は
ボールを変化させる事で打ちにくくする
というだけでなく、
ボールのスピードを変化させる事でタイミングをズラす方法
という事も、できると思います。
「緩急が大事」というのは、
そういう訳なんですね。
(速い球と遅い球の、球速の差が大きいピッチャーほど
打ちにくい、と言えます。)
2.ボールが変化するメカニズムの基本
さて、それでは
「変化球のメカニズム」について、です。
例えば、
まっすぐ前に進んでいるボールが、
左回り(反時計回り)に回転していたとしましょう。
その時に、
ボールには左向きに力がかかるのです。
その「ちゃんとした理由」は、
流体力学という難しい学問の話になりますので、
正確ではありませんが、
ここではイメージを説明を説明する事にしますね。
左回りに回転するボールでは、
右側では、ボールの進む方向と同じ方向に回転しているので、
その分、空気とたくさんぶつかる事になります。
一方、
左側では、ボールと進む方向と反対に進むように回転していますね。
なので、その分、空気とあまりぶつからない事になります。
(ここに図・・・本来なら)
そうすると、
右側では、より空気の抵抗を大きく受け、
左側は、空気の抵抗が小さくなる。
そうすると、その分の差だけ、左側に力がかかる事に、なるんです。
イメージが沸きましたでしょうか。
よって、
左回りの回転をしているボールは、左側に曲がり、
(カーブ、スライダー、カットボールです。)
右回りの回転をしているボールは右側に曲がるんですね。
そして、
「変化球」というのは、基本的に全て
「ボールの回転によって、ボールに変化を与えるボール」
と考える事が、できるんです。
ただ、
実は、「それだけの問題ではない」んですよね。
それを理解するには、
「ストレート」について、もっと理解する必要があるんです。
3.「ストレート」とはどんなボールか?
実は
「ストレートこそが、最も凄い変化球である」
という人も、いるくらいなんですよ。
その理由を、これから説明しましょう。
ストレートは、単なる「真っ直ぐ行くボール」ではないのです。
実は、
ストレートには、上向きの回転がかかっています。
ボールに限らず、どんなモノでも
空中に放たれると、放物線を描きます。
(つまり、山なりの軌道を描くって事ですね。)
それは、物理法則で決まっているんですね。
重力ってモノが、ありますから・・・
なので、
どれだけ速いボールを投げたとしても、
ある程度は「山なり」の軌道を描く訳で、
バッターの所では、ある程度、落ちながら進む事になる。
(実際には空気抵抗がありますので、
放物線より、もっと落ちる事になる。)
しかし。
ボールに上向きの回転を与えると、
先ほど説明しました理由によって、
「上向き」の力がボールに加わるんですね。
それによって、
「ボールの落ち」を少なくする事が、できるんです。
つまり
「ストレート」とは、
上向きの回転によってボールの「落ち」を少なくし
ほぼ真っ直ぐに行くようにしたボール
と言う事ができます。
また、
ストレートには、もう一つ「メカニズム」があります。
ボールが空中を進む時、空気の抵抗を受けて
速度が少しずつ遅くなります。
しかし、
「上向き」の回転を与えると、
その抵抗を減らす事ができるそうなんです。
よって、
ストレートは普通、「最も速いボール」になります。
よく
「伸びのあるボール」という言い方がされます。
「バッターの手元で伸びる」とか・・・
これは
「上向きの回転が速いボール」なんですよ。
上向きの回転が速いほど、
ボールの「落ち」も少ないですし、
速度も遅くなりません。
そうすると、
同じ速さで投げられたボールでも、
バッターの手元では、
「より速く」しかも「より落ちない」ボールになるんです。
バッターの予想よりも「速く」「落ちない」事によって、
手元で急に速く、しかもホップするように見えてしまう、
それが「伸びるボール」の正体です。
さて、
ここまで理解すれば、
「フォークボール」の正体も、良く理解できます。
フォークボールは
ボールの回転を極力抑えたボールなんです。
そうする事で、
ボールは放物線を描いてバッターの所では
自然と「落ちる」事になりますし、
空気抵抗ももろに受けますので、
手元でよりブレーキがかかる事になります。
(それによって、「落ちる割合」も増える事になる。)
そういう意味では
「フォークボール」こそが「最も普通のボール」と
言えるかもしれないんですが、
まぁ、普通にボールを投げれば上向きの回転がかかるんですよね。
「回転をかけない」方が難しい投げ方なんで、
非常に特殊な投げ方をする必要があるって事なんです。
(実は、
フォークボールも、少し、上向きの回転がかかっています。
ナックルボールは、本当に回転がなさそう、
って思っているんですが、
どこかのテレビ番組でスーパースローとかで
検証してくれないですかねぇ?)
このあたりの事が分かっていれば、
色々な変化球も、基本的にその応用ですから、
話を聞けば、理解できると思います。
(例えば
「カットボール」は、上向きに少し左向きの回転を加えた
「斜めに回転しているボール」なんですねー。)
参考:野球(変化球編)??曲がるボールの秘密??
(書き終わってから見つけてしまいました・・・)